現時点のオーディオの音は不思議です。透明感とか解像感とかオーディオを語る指標はいくつでもあるけれど、何が良いのかよくわかりません。
透明感や解像感だけを求めるなら、DMP-A6の内蔵DACでも十分に良いと思います。でも、1曲聞いただけでダメだなって思うのは、何かしらの違いがあるからだと思うんですね。
強いて言えばそれは躍動感でしょうか。
fundamentalの鈴木哲さんの言葉だってどこかで聞いたような気がするんですけれども、「音と女は薄化粧が良い」と聞きました。fundamental製品のあのリアルさも性能を追求したうえでの薄化粧だと思うのですね。僕はその方向性が好きなんでしょう。
DNP-2000NEを借りたときに思ったんですけれども、今のオーディオの主流は広い空間に音像がある程度の距離をとって存在するイメージだと思います。
ft-sd2.0bの空間表現はそうではありません。エネルギー再現性を重視していて、音像がギュッと凝縮されたイメージです。反面、広さはそれほどではない。
この音はなかなか代わりがないのかなと思います。Bricasti DesignのM3Hが鈴木サウンドに近いとのことですが、120万のDACを買う力は僕にはありません。しかも、また値上がりするらしいし。
そんなわけで、性能はもちろん大切なのですが、計測器で測れない価値が、最新の技術というだけで作れない音があるのかなと思うのです。
性懲りもなくUSB DACとかRoon Ready機器を調べたりしていますが、性能だけで判断するとまた痛い目に合うんだろうなと思ってしまうのです。
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