分かりにくいことは分かりにくい

分かりやすいが大手を振っている世の中だと思います。はっきり断言する人が好かれる世の中だとも思います。でも、世の中すべてが分かりやすいわけではありません。分かりづらいことは分かりづらいのです。

もちろん、僕らは分かりやすく伝えるのが仕事です。簡単そうに解く場合もあるし、多少の簡略化をするケースもあります。だからといって、その事象そのものが簡単になるわけじゃありません。

簡略化の罠みたいなものはあると思います。理由を簡単なものに求めたりするのはその例として挙げられるのではないでしょうか。相関と因果を取り違えてみたりするのは良くある話ですね。

教える側の人間として、簡単そうに話はするのですけれども、本質はそう単純じゃないということは認識しておきたいのですね。あるいは、人によっては単純と認識できないケースがあると知っておきたいのです。

英語・国語は生き物のように変化するし、数学の世界は果てしなく広がっています。物理は前提条件が多く存在するし、化学は結果としてそうなるものが多くあります。

分からないことはいくらでもあるし、それが世界の普通なのです。そんな世界の分かりやすい一部を切り出して、分かりやすそうに見せているだけだと自覚しておく必要があるのです。

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