教えると同時に学ぶ

板書を書くのが好きで、板書を考えるのが好きで、それでもすべてを板書内に表現することはできない。だからといって、何も書かなくて良いということにはならない。

中学受験の授業で水溶液を取り扱いました。水溶液の性質、溶質やにおいによる分類、液性による分類、蒸留などが範囲だったんですね。

このうち溶質やにおいによる分類については説明を省いてしまったのです。

これが正解かどうかは分かりません。テキストを見れば載っているのだから探して答えてほしいという人もいれば、できる限りノートに落とし込むべきだという人もいるでしょう。

当時、僕は前者の考えでした。テキストを調べて答えてという感じですね。

その考えが甘いということに気づいたのは問題演習時のことです。問題に答えるときにホワイトボードを懸命に探して答えてくれるのです。あの視線、真剣なまなざしを見たら、やはり書くべきであったと思わされたのです。

直接言われなかったとしても、生徒の振る舞いは多くのことを教えてくれます。生徒に教えると同時に生徒から多くのことを学ばせてもらっているのです。

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